25th Anniversary MTG展

あなたは、美術館で有名な作品を見ることができない世界を想像できますか? モナ・リザ、星月夜、システィーナ礼拝堂などが個人的に所有され、どこかのリビングルームにあったとしたら——。システィーナ礼拝堂の場合はかなり難しいかもしれませんが、しかし言いたいことはお分かりでしょう。25年前に、マジック創設者のリチャード・ガーフィールド氏と、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの創設者ピーター・アトキンソン氏がマジックをどう作っていくかについて話し合いをしました。その時からずっと、マジック:ザ・ギャザリングのアートは、ゲームの欠くことができない部分を担ってきました。そして、それらのアートはまさにマジックそのものを形作るのに役立ってきたのです。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、マジックのために年間に何百ものアート作品を発注します。その数は、印刷されたカードにはなっていないプロモやコンセプトアートなどを含めた場合、何千という数になります。

 

アートファンにとって、マジック:ザ・ギャザリングのアートを見る方法は多くはありません。IX ArtsSpectrum Fantastic Art Live で、それらのアートを目にすることはあるかもしれません。また、Gen Con で、アーティストがあなたに作品を売ろうとしてくるかもしれません。はたまた、あなたは作品を購入したラッキーなコレクターかもしれません。しかし、作品のいくつかは、ショーやコンベンションに展示されることなくオンラインで販売されます。コレクターが作品を購入したあとは、転売されたりトレードされたりすることがない限り、その作品は長い間、またはもう二度と公衆の目に触れることはないのです。店が所有するアート作品を見るためだけに、私が地元のゲームストアまで足を運んだことは一度だけではありません。マジック:ザ・ギャザリングのアートは、世界で最も優れたファンタジーアートのひとつであるにも関わらず、マジックファンやアートファンがそれを楽しむための専用の場所が無いのです。

 

これは、当サイトでの初めてのアートに関する記事なので、なぜ私がマジック:ザ・ギャザリングのアート——またはファンコミュニティが呼ぶところのMTGアート——について書いているかの理由を紹介したいと思います。マジックのアートについて語るために、私はこれまでに何をしてきたか? マジックと私にはちょっとした歴史があります。私は23年ほど前に、マジックのカードを買い始め、19年ほど前からプレイし始めました。そして、私は肖像画に注力したファインアートの学位と、ヨーロッパのルネッサンスとバロックアートにフォーカスした歴史の学位を持っています。ここ10年間は、ファンタジーアーティストたちがGen ConIlluxconなどのコンベンションで彼らの作品を展示するのを手伝っています。昨年、マジックアートコミュニティの有力なメンバーであるマイク・リンネマン氏 が、史上初のマジックアートショーの立ち上げと設計について、私に助力を求めてきたのです。そのショーは、75の作品から始まり、すぐに200以上の作品が集まるものに成長しました。私は画材道具、イベントのレイアウト、そして全てのロジスティクス——作品を無事に届け、そして所有者まで無事に返すことを含む——を担当しました。

 

このことは、私が非常に心待ちにしている、9月11日~17日に東京で開催の「マジックアートショー2(マジック:ザ・ギャザリング展)」に私たちを導きました。これは、マジックの25周年記念の一環となる展覧会で、新宿ルミネ ゼロで開催されます。入場料は500円と大した金額ではありませんが、そこには見るべきものがたくさんあり、スコット・フィッシャー氏の《セラの天使》プロモーションカードが無料で手に入ります。(※数量限定)

 

この展覧会を監督するマイク・リンネマン氏と、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのアジア太平洋局のおかげで、 10年以上公衆の目に触れることのなかった、そしてこのジャンルのアートを確立してきたマジックのアート作品を見ることができるのです。多くのカードイラストやコンセプトアートの原画が、一般公開されます。

 

長年のマジックプレイヤーのためには、マジック:ザ・ギャザリングの歴史において有名なアートが展示されます。例えば、ティム・ヒルデブラント氏の「思考停止」、パオロ・パレンテ氏の「マスティコア」、そして風景を描く最も有名なアーティストの一人であるヴィンセント・プロス氏による「汚染された三角州」などの原画です。これらのカードは、マジックのアイコン的な存在であるだけでなく、トーナメントのデッキにもたびたび使用されました。

 


思考停止(ティム・ヒルでブラント)


マスティコア(パオロ・パレンテ)


汚染された三角州(ロブ・アレクサンダー

 

マジックのストーリーや背景に興味があるファンのためには、ウェザーライトの乗組員の作品も展示されます。カーン、ターンガース、ミリーやファンのお気に入りゴブリン・スクイーなどを含む、マジック初の多年ストーリー展開(1997年~2001年)に出てくるキャラクターの作品です。

 


銀のゴーレム、カーン(マーク・ズック)


猫族の戦士ミリー(ダレン・バッダー)


ゴブリンの太守スクイー(デイビッド・モネット)


タールルームの勇士ターンガース(ケブ・ウォーカー)

 

たとえもしあなたが素晴らしいアート作品のためだけに展覧会に行ったとしても、そこにはレベッカ・ゲイ氏の「魔法の夜」や、ブロム氏の「白金の天使」、テレーズ・ニールセン氏の「末裔の道」のようなマジックの最高の画家たちによる素晴らしい作品があります。

 


魔法の夜(レベッカ・ゲイ


白金の天使(ブロム)


末裔の道(テレーズ・ニールセン)

 

これらは60以上の作品の中のほんの一部です。私は、あなたの楽しみを台無しにしたくありません。もし、もっと作品を見たいのであれば、マジック・アートショー2に行くべきでしょう。マイク・リンネマン氏はマジック・アートショーを、少なくとも年に1度開催されるイベントにしたいと考えています。そして、2回目のアートショーが東京で開催されるというのは素晴らしいことです。今回の展覧会は、あなたがこれらの作品を見る唯一のチャンスかもしれないし、カードサイズのイラストより大きな作品は、見るものがずっと多く、面白く鑑賞することができるでしょう。マジックのファンであろうが、純粋に芸術のファンであろうが、誰もが楽しむことができると思います。